父親は子育てに参加しなくて良い?

さて?
父親は養育に必要なお金さえ稼いでいれば良いと言う考えはまだ根強くあります
ところで生物学的に人間という生き物は雄は子育てには関わらないのでしょうか?
分かり易い例としてはクマとライオンが有ると思います


まずクマの生態ですが、雌は交尾した後は冬眠中に母親のみで出産し
その後は子育ても母親のみが行います


ライオンの場合は、群れで生活しており妊娠・出産からその後も雄は共同生活を送ります
さて人間は?


ここでいくつか興味深い研究成果を紹介したいと思います
Evolution and Human Behaviorと言う雑誌に
Anne E. Storeyらカナダの研究者による
Hormonal correlates of parental responsiveness in new and expectant fathers
という2000年に掲載された論文があります


アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)に2011年に掲載された
Longitudinal evidence that fatherhood decreases testosterone in human males
というLee T. Gettlerらの 論文があります


他にもフィリピンの研究者で同様の論文が見つかります
実は類似した文献はたくさんあります


これら全て要点としては
「父親になることで、人間の雄はテストステロンというホルモンが減少する」
と言うことです
女性が妊娠や出産を機にホルモンバランスが変化することはよく知られていますが
男性にも似た様な現象が起こると言うことです
"Men and women had similar stage-specific differences in hormone levels"
と最初に挙げた論文では述べられています
人間の雄が子育てに参加しないなら、こんな機能は必要ないと思いませんか?


そしてこの現象は、参考文献を見れば分かるとおりかなり昔から知られています
調査が行われた国も多岐にわたっており、北京での研究でも同様の結果が出ています
文化や人種に関係なく、この機能は備わっていると考えて良さそうです


日本の家裁の裁判官や調査官にはもう少し勉強してもらいたいものですね