陳情審査

1月14日、札幌市役所にて「離婚後の共同親権と共同監護、親子の面会交流の法制化を求める意見書」の採択を求める陳情(第1270号)の審査がありました=写真上=。結果は喫緊に結論を要する案件と判断されたものの、残念なことに全会一致で継続審査となりました。しかし、本会議採択に向けて大きな意義があったと思います。


この審査の模様を、地元テレビ局STVが取材し=写真下=、当日夕方のニュースで放送しました。わずか3分程度の放送でしたが、親と子が引き離されるという現状を伝える点では、上出来な内容であると言えるでしょう。


文教委員会での趣旨説明、質疑応答は次の通りです。
○1月14日札幌市議会文教委員会(陳情第1270号)
☆趣旨説明
藤川雅司議員(民主)「先日、国際離婚をテーマにしたドキュメンタリー番組を見た。親権や面接交渉権の問題は深刻なものだと感じた。全国組織があるということだが、どういうものか。国会にはどのような働き掛けを行っているのか」
安岡菊之進氏(コトオヤネットさっぽろ代表)「日本を除く多くの先進国社会の場合、相手の許可なく子どもを連れ出すのは、誘拐という犯罪になる。(日本国内で共同親権を求める団体は)東京、関西を中心に徐々に広がりを得てきた。(東京では)国会勉強会を行っている」
藤川「コトオヤネットさっぽろは札幌だが、他にどこがあるのか。国会請願はやっているのか」
安岡「国会請願は何年か前に複数回、行っている」
川口谷正議員(民主)「意見書の可決日時は新しいものが多いが、これはどういうことか」
安岡「当事者が声を上げにくかった。インターネットの普及などで、2000年以降は情報が集めやすくなったという背景もある」
川口谷「遅ればせの陳情ではないのか。諸外国では共同親権だが、日本では(仮に民法の)法改正後でも単独親権の習慣が残されていくのではないか」
安岡「(たとえ遅ればせの改正であっても)裁判所の介入や各種プログラムの実施がしやすくなる。単独親権の因習は是正されていくはず」
川口谷事実婚の場合はどうなるのか」
安岡事実婚法律婚を問わず、基本的に子どもが会いたいと思えれば会えるようにすべきだと私たちは考えている」
☆市議会と市当局の質疑応答
高橋克朋議員(自民)「札幌市の実態はどうか。議論を他の場に決定して扱うのがいいのではないか」
大古聡(さとる)・札幌市子ども未来局子ども育成部長「平成18年の札幌市の離婚率は、千分比にして2.83件。平成19年の場合は2.45件であり、幾分減っている。件数では平成19年の場合、4638件であり、このうち親権を行う子のいた件数は2633件であった。札幌市の各部署を窓口としての記録では、面接交渉権を直接扱った記録は残っていない」
堀川素人議員(改革維新の会)「(本件陳情は)面接交渉権だけなのか、それよりももっと広い親権なのか。議論で終わらせるだけではいけないし、しかし、もっときちっとした議論の場をつくる必要がある。その上で国会に提出すべきだ」
川口谷「事態は非常に深刻だ。新しい離婚も次々起きている。事は喫緊を要する。幹事長会議などと文面をまとめて意見書を出すべきだ」
谷沢俊一・文教委議長「引き続き文教委で取り扱うべきだ。それでは採決に入ります。……全会一致により本件を(文教委の)継続審査と決定する」