千葉景子議員と簗瀬進議員の事務所訪問(05年12月5日)報告

12月5日(月)午前10時半にFMAさんと一緒に、東京都千代田区永田町2−1の参議院議員会館にある千葉景子参議院議員事務所を訪ねました。千葉議員は当日、米国に外遊中なので、秘書の孝寿(こうじゅ)苑子さんに請願署名をお渡ししました。孝寿さんから、民法改正に対する民主党の考え方、請願署名の提出の仕方などをお聞きしました。
――2002年7月にも民主党民法改正、特に766条改正を求める法案を提出されていますね。
「発案は円より子参議院議員でした。円さんが中心となり、江田五月さん、うちの議員(千葉景子さん)の3人で提案しました。ですが、審議入りできず、廃案となりました」
――そのときから3年以上が経っているのですが、民主党の考えに変化はありますか。
「いいえ。民法766条改正は、現在も民主党のスタンスとなっています。ですが、民主党としてもまとまった議論はあまりしていません。正直言って議論はそれほどに詰まっていない側面もあります。とはいえ、民法(親子法)改正は民主党のスタンスになっているとはっきり申しあげていいと思います
――千葉さんはどうでしょう。
「うちの議員も(民法改正は)必要だと思って、何度か、質問しています。02年以降(千葉さんは)問題意識を持ち続けてきました。議員も継続して取り組みたいと考えています」
――最近の(参院)法務委員会の雰囲気はどうですか。
少年法や刑法、特に共謀罪の問題がテーマになることが多いですね。最近は円滑にやれる雰囲気が減ってきました」
――与党(自民党)の動きはどんな感じでしょう。
自民党としても民法改正については、まとまった議論はしていないのではないでしょうか」
――やはり民法(親子法)改正の場合は『超党派』で動いた方がいいわけですよね。
「ええ、もちろんです。自民党さんの動きを抜きにしては、改正はおぼつきません」
――となると、自民党でこの問題に関心がある人は誰になるのでしょう。例えば南野前法相はDV法の改正のとき、熱心に動かれたと聞いていますが。
「はい。南野さんは、DV法のときはとりわけ熱心でしたよ。現職の大臣で各地の意見ヒアリングに出向かれるなど、前例がありませんでしたから。ですが、個人的に関心があっても枠をはめられてしまうみたいなところがあるようです。……あえて挙げるならA議員かしらね。A議員は人権問題なども親身に対応していますし、自民党の中では『市民派』として有名です。アムネスティ(日本支部)の世話人も務めていますね」
――議員立法は20人の議員さんが提案しないと駄目なんでしたよね。
議員立法は単独でも出せます。提案者が一人でも、賛同者が19人いれば、提出できます。ですが請願と議員立法はまったく別ものですよ。(請願なら)必ずしも20人にこだわる必要はありません
――今日は請願署名もお持ちしたのですが、請願署名による民法改正の働き掛けはどういう風になるのでしょうか。
「形式的なものですが、各議院(衆院参院)の議長宛てに請願署名を提出し、会期末に採択します。採択の結果によって、関係省庁に委員会が設置されます。いかに動ける態勢づくりに入れるか、がポイントになると思います」
――『形式的には、議長宛て』というと?
請願は会期末の1週間前が締め切りです。『形式的には、議長宛て』というのは実際には各々の国会議員が紹介議員になるからです。党派を超えた運動にしていくには、紹介議員を増やすのも一法でしょう
――現職の法務大臣、今だと杉浦正健さんに直接、請願を持っていくということはできるのでしょうか。
「特別に法律で決まっているわけではありませんが、現職の大臣だと忌避されるようですね。これまで前例はありません。内閣の一員だからということで、遠慮される人が多いのでしょうね」
――書式はこれでいいのでしょうか。
「請願の趣旨と請願の項目が必要です。所轄官庁が複数に上る場合、それぞれの内容や意味合いに応じて、委員会をどれか一つに絞らないといけません。民法(親子法)改正の場合は法務委員会でいいしょう。請願の重複署名は認められません。署名1通に付き1人の代表名を手書きで書かないといけません。今回の署名は書式などにミスがありますけど、国会議員が預かり、署名の重みを(各議員が)どう受けとめるか国会議員が判断するということでいいのではないでしょうか。うち(千葉議員事務所)でも預からせていただきます
――ありがとうございます。よろしくお願いします。



続いて、同日午後1時からFMAさんとともに、参議院議員会館(東京都千代田区永田町2−1)の簗瀬進参議院議員事務所を訪ねました。簗瀬議員も外遊中なので、秘書の常沢(ときざわ)正史さんに署名を提出しました。常沢さんには、非養育親の苦しみを切々と訴えました。常沢さんは力強く肯き、「ご要望はすべて簗瀬議員に伝えます」とおっしゃってくださいました。
――総選挙後、民主党内で役割の配置換えがあり、簗瀬議員は法務担当から替わられたと聞きましたが。
「いいえ。まだ法務担当です。民主党の法務委員会は衆院参院それぞれ別個にあります。ですが、法務部会では衆院参院の両議員が一緒になって取り組みます。簗瀬議員はまだ法務にいます」
――簗瀬議員のこの問題(民法766条改正)に関する考えはどうなのでしょうか。
「今日は政策の担当秘書が席を外しておりますし、簗瀬議員個人の考えについては分かりません」
――署名をお持ちしたのですが、何か、書式が違うみたいですね。
「この署名スタイルよりも、お手持ちの『署名見本』みたいなものの方が一般的ですね。請願署名は重複がなければ、30人から50人くらいの(しか集まっていない)ものでも、紹介議員として受け付けます。現に30人くらいの署名(簿)なら私も見たことがあります
――要望書などは付ける必要はありますか。
「要望書などよりも『見本』のような請願署名の方が一般的ですね」
――最近の陳情などでは、どういう内容が多いのですか。
「刑法関係ですね。共謀罪の集会に出てほしいとかの要望は多数受けます」
――民法親子法改正絡みでは?
「ほとんどないですね。今日が初めて、と言ってもいいかもしれません」
――では、要望として聞いてください。日本には離婚後の親子の関係を規定する法律がありません。
「はい」
――ですので請願の趣旨にもあるように、離婚後の面接交流の拒否や、養育費の不払いが後を絶ちません。
「はい」
――さらに、民法819条の規定にあるような単独親権の制度が、離婚後の『子の奪い合い』みたいな状態を助長する側面も否めません。
「はい」
――法律の不備や古臭い規定が、離婚後も当事者の争いに火種を残しています。ひるがえって、そんな親の状態の下にいる子どもは悲しいと思いませんか。……ですから、今の民法をぜひとも変えてほしいのです。
「(離婚後も当事者=親がいさかうのは)子どもが不幸です」
――今日の“声”は、ぜひとも簗瀬議員にお伝えください。
「はい。今日、承ったご要望はすべて簗瀬議員に伝え、署名も簗瀬議員にお渡しします」
――よろしくお願いします。